fc2ブログ
10月29日、今年度2回目の出前授業に行ってきました。
愛知県知多地方の小学校です。
出前授業とはいっても、2年生の学習発表会を兼ねたもので、先生方がすごくチカラを入れてみえるようです。

この学習発表会では、2年生の生徒さん全員による『音楽劇 スーホの白い馬』がステージで上演されます。
音楽劇はミュージカルと言ってもよいかもしれません。「スーホの白い馬」のお話が生徒さんの劇と群読で進められ、劇中に3つの歌が歌われます。
3つの挿入歌はピアノ伴奏で生徒さんが歌うのですが、私たちサランモルに馬頭琴で伴奏してほしいとリクエストがあったのです。
馬頭琴でメロディーを演奏するだけではつまらない、と私たちは3曲のうちの2曲について馬頭琴パートを編曲し、ひそかに練習してきました。(編曲はメンバーのYさん他の尽力によりできました)


さて、その音楽劇の本番のレポートです。

体育館の舞台前に設けられたひな壇に60人余りの2年生の生徒さんが上がります。サランモルの面々6人は舞台に向かって右側に座って馬頭琴を演奏します。ピアノは左側です。

客席には1年生の生徒さんが座っています。2年生のお兄さんおねえさんの舞台を見ようと、真剣そのものの目です。
その後にはお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんの席が設けられています。50~60人はいらっしゃたでしょうか!親御さんの熱意が伝わります。

いつもの「ユロル」が終わると、いよいよ劇の始まりです。(ユロルとは、モンゴル式のオープニングセレモニーです)

ウンドス君の馬頭琴ソロによる荘重な前奏曲で劇がスタートしました。
元気な朗読と迫真の演技で、ストーリーが進みます。子どもたちのセリフや群読が素晴らしいです。

いよいよ挿入歌です。メインの曲は「スーホの白い馬M1」です。
詩とピアノに合わせてちゃんと演奏できました。
おっ、私たちの伴奏、けっこういけるじゃないの!?と、心の中で自画自賛。
なお、このM1は劇中に2回または3回歌われます。(この学校では2回でした)

劇が進み、つぎは「M2弓矢はうなりをたてて」です。これは速いテンポの曲で、馬頭琴伴奏なし。

白い馬が競馬大会で優勝したものの、王様にとられてしまいました。逃げ出した白馬は、王様の弓矢で射られ、やっとスーホの白い馬のもとへ帰ったものの、死んでしまいます。
そのあたりの演技の素晴らしかったこと。ついホロリと…。

ここで「M3かなしくてくやしくて」が歌われます。 馬頭琴伴奏はNさんの独壇場です。切なくも悲しい馬頭琴の音色が歌声に重なり、思いがあふれて感動ものでした。

こうして、初めての『音楽劇 スーホの白い馬』が終わりました。親御さんや先生方からは万雷の拍手です。
拍手は生徒さんたちをたたえるものなんですが、ほんの少しは私たちにも向けていただいたのかもしれません。だとしたら、努力した甲斐があったというものです。


この後の時間は、ほぼ通常の出前授業のプログラムが続きます。
モンゴル人当てクイズ、馬頭琴演奏、動物クイズ、草原の住まいゲルのお話、、みんなで歌おう、馬頭琴体験、安代舞を踊ろう、民族衣装のショーなどなど、サランモル渾身のプログラムです。
民族衣装のショー
この学校では写真はこれ1枚だけ。忙しくて写真を撮るヒマがありませんでした。


終わってから校長室でご挨拶。
「2時間もの長い時間だったが、子どもたちを飽きさせないのはすごい」とお褒めの言葉をいただきました。今までの努力が報われたわけで、ありがたいことでした。
私たちは音楽劇の仕上がりの感動的なことと、子どもたちの能力の素晴らしさ、それを引きだされた先生方のご努力にたいして賛美の言葉を述べさせていただきました。

今年度の出前授業、どうやら幸先の良いスタートがきれたようで、嬉しい一日でした。









スポンサーサイト



2014.10.31 Fri l 「スーホの白い馬」出前授業 l コメント (0) トラックバック (0) l top
私たちサランモルの大事な友人のひとり、ドガラさん。……内モンゴル出身の男性モンゴル舞踊家です。
いまは愛知県で暮らしています。

10月下旬のある日、そのドガラさんから、「新疆ウイグルからお客さんが来日するので一緒にお相手してほしい」とリクエストがありました。急な話ですが、私(toshi)がお相手することになりました。家内も同行です。

新疆ウイグル自治区から遠路はるばる北京、東京経由で名古屋へ来られたのは、ダイマンさんご夫婦です。
新疆のモンゴル族自治州にて歌舞団の副団長さんをなさっているとか。
そのダイマンさんは背の高い偉丈夫で51歳。奥さまは楚々とした美しい方です。

10月27日、私と家内はドガラさんたちと落ち合って、一緒にまず妻籠宿へ。(つまごと読みます)
中山道の木曽路にある宿場町です。

異国情緒たっぷりの古い街並みにダイマンさんご夫婦は大興奮。スマホで写真撮りまくり(笑)。ドガラさんは通訳で大忙し。私はここを選んで正解だったとニンマリです。
妻籠宿にて

妻籠宿の水車小屋前にて

ダイマンさんお二人は新疆ウイグルに住むモンゴル族で、言葉はモンゴル語、ウイグル語、中国語をあやつるそうです。
バイリンガルどころか、トリリンガル?ですね。ドガラさんとはモンゴル語でやり取りします。

秋の日は早く暮れます。木曽福島の街で食材を買い、開田高原の山小屋へ。
途中の紅葉がなんとも見事でした。

開田高原の御嶽山の見える絶景ポイントで途中下車。
私たち夫婦は、いまは哀しみの山となってしまった御嶽山に「御霊安かれ」と黙とうをささげました。
彼らは雄大なパノラマ風景に感動の様子でした。
開田高原にて

夢野山荘の夜。夕食は、なんとダイマンさんが慣れた手つきで新疆ウイグルの家庭料理を作ってくれました。
白酒(バイチュウ)で乾杯のあと、ウイグルの料理をいただき、おしゃべりの花が咲きました。通訳のドガラさん、大忙し(笑)。
作ってくれた料理は、肉と野菜とニンニクが入ったピラフのようなものがメインで、それに野菜サラダ?。エスニックな味でおいしかったです。(料理の写真撮り忘れ)

じつは、ドガラさん自身もダイマンさんたちとは今日が初対面なのです。
ダイマンさんはドガラさんの古い友人の、そのまた友人なのだとか。

ドガラさんは、「友人の友人」というだけで、数日間とはいえ、二つ返事で見ず知らずの人のお世話を引き受けたわけです。
そして、まるで前からの友人のように仲良く、親身になって世話をしている。……モンゴル人の民族の絆の強さ、こころの広さにあきれる、いや、感動させられるばかりでした。

それに、地球上で数千キロ離れて住み、決して会うことなどなかったはずの私たちが こうして一緒におしゃべりし、乾杯し、笑いあっている。その不思議さに目まいがして、陶然とさせられた一夜でした。


【2日目】
標高1200mの開田高原はさすが寒く、風も強い。
ここでは白樺やカラマツ、クヌギなどの紅葉は盛りを過ぎたようです。

朝食はドガラさんがニュウメンのような、具だくさんで優しい味の麺料理を作ってくれ、腹いっぱい食べさせられました(泣)。
ドガラさんたちは今日は新穂高ロープウェイか高山へ行きたいとのこと。用事のため帰宅する私たちとは別行動することになりました。
夢野山荘の前でセルフタイマーで記念撮影。
開田高原の山荘前で

気がせくまま、山小屋を朝9時過ぎに出発し、少しだけ一緒にお付き合いで昨夕の絶景スポットへ。昨夕とちがって上天気で、御嶽山が一望です。まだ見つからない6人の方々が来春には見つかるよう、もう一度、手を合わせて祈りました。

彼たちは噴火で60人を超す犠牲者が出たことなど身にしみておらず、ここでも写真撮りまくりです。許してやってください。
開田高原で御嶽山を望む

最後に木曽馬の里にも立ち寄りました。
開田高原木曽馬の里にて

木曽馬の像の前で、「元気で。また会いましょう」と握手して別れました。
きっと、数千キロ離れて住み、もう会うこともないでしょう。ドガラさんもいつか故郷に帰る時があるかもしれません。
この2日間のことを、彼らが日本の思い出の一つとして心の片隅に残ってくれれば、それだけで嬉しいです。
とにかく不思議な、思い出に残る旅となりました。




2014.10.31 Fri l モンゴルの仲間たち l コメント (0) トラックバック (0) l top
10月上旬のこと、愛知県のとある小学校にてリボーさんの馬頭琴の芸術鑑賞会がありました。
もちろん、サランモルもお手伝いしましたよ。
以下、そのレポートです。
(いつもながら、団員が演奏も講師も撮影も兼ねているので写真が少ないですが、お許しのほど)

リボーさんの熱演に生徒さんも先生方も聴き入っています。
リボーさんの演奏
リボーさんは、普段の演奏曲のほかに鳥のさえずる声、バイオリンの音色、チェロの音色などで大サービスし、大きな拍手をいただきました(笑)

叙事曲『スーホの白い馬』を語りつきで演奏。語りは山元哉司子さん。サランモルのリーダーでもあります。
語りつき「スーホの白い馬」の演奏

リボーさんの演奏がメインでしたが、そのあとはサランモルの出前授業です。
はやばやと今年度最初の出前授業になります。

サランモルの演奏も少しあって、動物クイズで盛り上がったりしたあと、何と登場したのはモンゴルのご家族です。
こんなに大勢のモンゴル衣装のひとたち、じつは生徒さんや先生方です。
モンゴルからのお客さまがこんなに大勢?

いま流行のコスプレ…。
先生もすっかりその気になっていらっしゃいます。
先生も楽しそう!

ちなみに、衣装はみなサランモルが用意したものです。
こんな楽しい出前授業のできるのは、日本ではサランモルだけかも!?

生徒さんには全員、馬頭琴を体験していただきます。
けっこう簡単によい音が出るのが馬頭琴のよいところでしょうか。
一人ひとり長く弾かせてあげたいのですが、大勢なので頃合いを見て次の生徒さんに交代せざるを得ません。つらいところです。

体験の終わった生徒さんにはゲルの模型(団員の手作り)を見てもらったりします。
押すな押すな!!
ゲル模型を見る生徒さんたち

楽しい出前授業が終わりました。
リボーさんを囲んで記念撮影。
リボーさんを囲んで記念撮影

今年度の出前授業の、幸先良いスタートを切ることができました。
また、これからリボーさんはアメリカで躍予定とのことで、お別れの良い機会となりました。
2014.10.31 Fri l 「スーホの白い馬」出前授業 l コメント (0) トラックバック (0) l top